リウマチ外来

RHEUMATOID

関節リウマチは、早期治療・早期診断が大切です。

近年関節リウマチは、早期に治療を始めるほど寛解につながりやすいと言われています。また、関節破壊は発症後の早期から進行することが明らかになっており、リウマチ専門医による早期診断が重要となります。一方で、症状が様々で個人差も大きく、患者様は診察を受けるタイミングを逸しがちです。


朝手がこわばる
左右対称に関節が腫れている
腫れて痛い関節が3つ以上ある

こんな症状がある、また、他に気になる症状や疑わしい症状がある場合も、遠慮なくご来院ください。


関節リウマチはどのような病気ですか?


「手がこわばって、動かない」「関節が腫れて、痛いし、だるい」そのつらさを、他人にはなかなかわかってもらえない。関節リウマチとは関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されてしまい、放っておくと関節が変形してしまう病気です。

関節の破壊が進むと、日常生活や家事、仕事に支障が生じるようになり、介助が必要になるなど「機能障害」が進行します。関節破壊は、いったん起きてしまうと自然に元に戻ることはありませんが、最近では治療法の進歩により、発症初期からきちんと治療をすれば関節の破壊が抑えられ機能障害が抑制されることが報告されています。

関節リウマチが発症する平均年齢は55歳から60歳で、男性よりも女性の方が約4倍も多く発症します。

関節リウマチでよくみられる症状は?


代表的には、手がこわばる、手指の腫れや痛みといった症状で、たとえば、朝起きたときにペットボトルのふたが開けづらいということがありますが、そういった力の入りにくさや手指がパンパンにむくんでいるような感じが続くような場合は注意して下さい。また指の関節に痛みがあり、腫れている症状が1〜2か月持続する場合は関節炎かもしれませんので、まずは、ご相談ください。

どのような検査を行いますか?


血液検査や尿検査、画像検査などを組み合わせて行います。

血液検査

  • CRP
    リウマチによる関節炎の程度を表すCRP(C反応性タンパク )の値を調べます。正常値は0.3mg/dL以下です。
  • 抗CCP抗体
    ごく早期のリウマチでも血液中にみられることから、早期診断に応用されます。この抗体が多くみられる患者さんは関節破壊の進行も早いためすぐに治療を開始します。
  • MMP-3
    関節炎がひどくなると増加します。リウマチ診断の補助に使われ、また治療薬の効果を調べるのに役立ちます。
  • その他の検査
    リウマチの活動期には貧血が見られたりすることもある為他の血液の値をチェックすることがあります。

尿検査

尿検査は、薬の副作用や合併症のチェックもできる大切な検査です。

X線検査

X線検査では、リウマチの進行度がわかります。その他必要に応じて、超音波検査・CT検査・MRI検査を行います。

関節エコー検査

関節リウマチがひきおこす滑膜の炎症を直接観察する超音波による画像検査です。



(2023年12月より最新の超音波画像診断装置Canon Aplio a Verifiaを導入しました)


関節リウマチではどういう治療が行われますか?


関節リウマチの治療法として、症状や進み具合に合わせて、薬物療法、手術療法、リハビリテーションなどが行われます。リウマチと診断されると同時に治療を開始し、痛みや腫れなどの症状を無くし(臨床的寬解)、関節破壊の進行を抑え(構造的寬解)、長期間にわたって日常生活の質の改善(機能的寬解)を目指します。臨床的寬解の達成するためには、早期に従来型の抗リウマチ薬の投薬を開始しますが、効果が認められない場合は生物学的製剤やJAK阻害薬を選択肢に加えます。これらの治療によって寛解を達成することに加え、その後は寛解を維持することができます。また、強直性脊椎炎リウマチ性多発筋痛症など、リウマチ近縁疾患の治療や専門的アドバイス、専門病院の紹介もおこないます。

生物学的製剤、JAK阻害剤とは?

生物学的製剤とは、リウマチの病因の一つであるTNFα、IL-6などサイトカインの作用をピンポイントでブロックしたり、活性化されたT細胞を抑制し炎症を抑える薬剤です。JAK阻害薬はサイトカインが細胞内へ送るシグナルの過程をブロックして効果を発現します。生物学的製剤は8種、JAK阻害薬は5種が現在使用可能です(当院では、経済的負担の少ない生物学的製剤のバイオシミラーも積極的に取り入れています)。生物学的製剤には1〜2週に1回や月1回の皮下注射製剤や1~2か月に1回の点滴製剤があります。皮下注射製剤はいずれも在宅で自己注射が可能です。JAK阻害薬は毎日服薬する経口剤です。これらの薬剤は一方で免疫の機能を下げ感染症を発症しやすくなるなどの有害事象があるため、患者様それぞれの症状や特性により注意しながら使用します。公費制度を利用した経済的負担の軽減を含め、患者様は常に医師と一緒に治療目標を話し合い決めることができます。


TOPIC

2019年10月2日、JAK阻害薬オルミエントを販売する日本イーライリリー株式会社、シモーネ・トムセン代表取締役社長が当院を訪問し、日本のリウマチ専門クリニックの診療について説明しました。

 

富田康之院長Q&A

リウマチは女性に多い病気です。

関節リウマチは 女性に多い病気(男性の約4倍)で、 患者数は60~100万人と 推定されています。当院の患者様は50~70歳代の女性が中心です。50歳代が発症のピークですが、10~20歳代で発症する患者さんや最近は70歳以上の高齢発症の関節リウマチも増えてています。

不安な症状が続く場合は、自己判断せず専門医に相談しましょう。

不安を解消するためには、まず専門医に相談することが大切です。どんな病気か、どんな症状か、最近はネットなどでもよく調べて知識のある患者さんが増えていますが、医師の正しい診断を得るためにまずは受診することをお勧めします。

リウマチ治療は近年劇的に進化しています。

関節リウマチは、放置すると関節が変形して機能障害を起こす病気です。以前は不治の病と考えられていました。しかし近年、生物学的製剤やJAK阻害剤が出来てから、寛解を目指せる病気になりました。治療は早くから行うほど効果が高く、放置せず早期に治療を受けることが大切です。できるだけ早く受診して、早期診断を受けましょう。

お問合せ・診療予約
☎︎ 04-7165-8887
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